右手が伸びきっても抜けない!?一刀に「命」を込める『鞘引き』の妙技

 みなさん、こんにちは!入間神刀館です。

前回のブログでは、刀に手をかける最初の瞬間「手掛け(てがけ)」についてお話ししました。 今回は、その次。居合の「第一刀」に命を吹き込む、最もダイナミックな動作「鞘引き(さやびき)」のお話です!

気迫のこもった「鞘引き」の写真とともに、その奥深い世界を少しだけ覗いてみましょう。

※写真クリックで大きな画像でご覧いただけます。


例えばスキー板などがそうであるように、日本刀の長さも誰でも同じというわけではありません。その人の身長や腕の長さに応じた「ぴったりの長さ」というものが存在します。

具体的には、右手で刀の鍔(つば)の近くを握って、体の横に自然に下げたとき、刀の先(切先:きっさき)が「床につくかつかないか」くらいの長さが、その人に相応しいサイズとされています。

「じゃあ、ぴったりサイズならスムーズに抜けるんだね!」

と思いますよね。ところが、ここに面白いカラダの不思議があるんです。

手が伸びきっても、あと10センチが抜けない!

実は、刀を鞘から抜いていって、右手が「これ以上伸びない!」という目一杯の状態になっても、まだ刀の先が10cmほど鞘の中に残ってしまうのです。

腕の長さだけでは、刀は物理的に抜ききれません。 では、どうするか?

ここで登場するのが、左手の仕事。刀を収めている鞘(さや)の方を、刃の角度にピタッと合わせながら、後ろにグッと引き下げるのです。

この動作を「鞘引き」と呼びます。

右手で刀を前に抜き放つと同時に、左手で鞘を後ろに引きしぼる! この両手の連動(もちろん、前回お話しした「手の内」の絶妙なコントロールも加わります)があって初めて、刀はシュパッと鋭く、風を切って走ります。

教科書的に説明するとちょっと難しく聞こえますが、要するに「ただ刀を引っこ抜いているのではなく、鞘と刀がお互いに引っ張り合うことで、あの鋭い速さが生まれている」ということなんです。



達人だけが見せる、一瞬の光「紫電」

居合の世界では、刀が鞘を離れる瞬間に、きらりと放たれる一瞬の光を「紫電(しでん)」と呼ぶことがあります。 「紫電を放つ切り」はまさに達人の領域。

常人には到底到達できない『伝説』の境地ですが、われらが七段の先生の太刀筋を拝見していると、それが夢物語ではないような錯覚に陥ることがあります。先生であれば、あるいは……。そんな畏れ多い予感を抱きつつ、今日も私たちは、和気あいあいと、かつ真剣に稽古に励んでいます。


💡 編集部のあとがき&予告

最近は、居合のお話に偏りがちでした。 近いうちに、杖道部のカッコいい「杖」の稽古風景もカメラに収めてご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

「ちょっと刀を握って、鞘引きの感覚を体験してみたい!」 そんな方は、ぜひお気軽に入間神刀館の無料体験・見学にお越しくださいね!


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